|
|
||
作品ツンデレ
皆が忘れたころに更新!
お久しぶりでございます、管理人です。 5千ヒット記念SSなのフェイがなんとか出来ましたので投下します。リクエストありがとうございました。もうひとつはまた今度で;; 風邪をひいてぶっ倒れているうちに1万だようわっほいマジですかありがとうございますクガクガシズルルとかこれってなのフェイなのかてかこれ切ないって云うよりは痛い系SSの悪寒がしてならないとか色々ありますがその辺は次回にさせて頂こうと思います。ついカッとなって気付いたら書き直すかもしれません。 捕捉・返事等も申し訳ないですが次回更新時に;;;ありがとうございます。 ……俺今日これから仮眠取って、聖戦でリリ狩る本気狩るしてくるんだ! レポも次回出来たらいいです、ね?(疑問系 ちゅーがくせいぐらいです。 SSは続きよりどうぞ。 君が好きな、澄んだ青が。 淡く、今にも消え入りそうな、アオイイロが目の前いっぱいに広がって。 墜落する体が伸ばした手の先は、何も掴めずに空を切るばかりで。 ―――― あ あ 、 届 か な い 。 【自殺ごっこ】 繰り返し続ける日常は、退屈というには慌しくて、満ち足りているというには大切なものが欠落している。 「――――以上です。それではホームルームを終わります」 終了のチャイムが鳴り響く中、担任の声がそれに重なった。 挨拶もそこそこに、思い思いの行動を始めるクラスメイト。 自らもその風景の一部だというのにどこか突き放したような、第三者の眼から見ているような不思議な心持でぼんやりと眺めた。 ただ、風景の中にいないというだけなのに。 喉の奥から込上げる重たく澱んだ息を気づかれぬよう飲み込み、深く息を吐いた。 躯の中に淀む焦燥にも似たざわめきは、それで収まるはずもなく。 砂漠の中蜃気楼を見るように、白昼夢が過ぎる。 「フェイトー?」 縋るように脳裏に焼きついた姿を求めて拡散しかけた意識が、急速に現実に戻る。 何事もなかったかのように自然な振る舞いで一拍置き、振り向いた。 「ん、今行くよ。ちょっと待って、アリサ」 そう云いつつも名残惜しげに躰はもたつき、瞳は無意識に欠落を探し続けている。 特別視力が良いわけでもない。 特別姿が目立つわけでもない。 たとえばモノクロの世界に、それだけがカラーで写るかのように、なんて物語に描かれるようなことなんて、現実には起こらない。 ただ、そこにいることが当たり前のように、視線の先にはその姿が映し出されていて。 心なしか冷たく感じられる指先を握りこみ、彷徨う視線を隣の席へと移す。 誰の姿もない、机と椅子。 ――――君のいない、風景。 そんなことはよくあること。 例えばこの限られた学校という時間、空間だけでなく、例えば家であるとか職場であるとか時には次元すら違うどこともわからない場所だとか。 出来るだけ可能な限りの時間を作っても、どうしたって一緒にいられないことの方がきっと多いに違いない。 けれど、それに違和感や戸惑いを覚えて仕方がない。 当たり前を当たり前として受け入れることが出来ない。 「――――ごめん」 「ん?」 「ちょっと先生に用事があるんだった。先に帰っていてくれるかな」 「え、ええ……いいけど?」 面食らったような表情を浮かべるアリサが頷くのを見届けるまでもなく、くるりと背を向け、彼女らが向かう扉とは別の扉から廊下へと小走りに駆け出した。 呼吸が乱れ、息が出来ない。 胸の内に渦巻くざわめきが大きくなっていく。 この感情を、私は知っている。 ――――ああ、恋しいんだ。 君のいない風景に溶け込むことが酷く恐ろしいことに思えて、その場から逃げ出した。 そのまま通用口に向かっては、ただの言い訳とわかってしまう。 うろうろと無意味に廊下を彷徨い逡巡した後、足は自然と屋上へと続く階段へと向かっていた。 階段の周りにはまばらに下校途中であったり部活の移動途中といった人の姿が見受けられたけれど、屋上の扉まであがっていくと不思議と姿がなくなった。 錆び付きかけた扉を開くと、古びた鉄製の柵と空だけが視界に広がる。 雨ざらしの屋上はどことなく汚れていて。 同じく柵も砂埃や錆にまみれていた。 ここに来るのは初めてではない。 けれどひとりでということはなく、必ずその隣には彼女の姿があって。 ふたりで何というわけでもなく、空を眺めることが常で。 結局の所、面影を追ってここへとたどり着いてしまったわけだ。 ざらりとした砂の感触を靴底に感じながら、一歩ずつ柵へと近づき、柵に躰が触れるか触れないかといったところまで踏み出す。 他に高い建物はあまりなく、おそらくはこの付近で空に一番近い場所ではないだろうか。 首をあげれば、視界から柵や建物は消え、一面の空しか瞳には映らず。 ひとりで見上げる空は、どことなく物寂しい。 淡い、蒼。 この空を、好きだと思う。 ただ、それは彼女の影響が合ってこそ、というところが実のところ大きいのではないだろうか。 依存しているつもりではないけれど、無意識のうちのそれは複雑に絡み合いどこまでが自発で、共感で、依存であるのかすらその境を曖昧にしてしまっている。 それはまるで、彼女に対する好意にも似て。 ただ好きであればいいと思い続けていられるほど、純粋ではいられなくなってしまった。 自分と空とを分け隔てるこの柵のように、すべてはっきりとしていればいいのに。 そう考えたところで、ふと。 もしかすると自分は柵をなくしてしまうことが怖いのではないか。 そんな簡単なことに気付いてしまった。 柵をなくしてしまえば、自分はどうなってしまうのか。 羽ばたくのか。 その場にとどまり続けるのか。 それとも、墜ちるのか。 汚れてしまうのも厭わず、そっと柵に触れ、更に一歩を踏み出す。 錆び付いた柵はぎしぎしと音を立て、危険だと訴えた。 金網を握りしめ、沸き上がる衝動に抗うことなく足をかける。 見た目よりも頑丈な柵は崩れ落ちることなく耐え続けている。 ひとつ、ふたつ、みっつ。 ひとつひとつを確かめるように慎重に、けれど躊躇うことなく。 身軽な身のこなしで最後まで登り切り、掴まる物もない不安定な足場にひとり立つ。 少しでもバランスを崩せば落ちてしまうであろう身体。 鍛え上げた感覚と足とがそのギリギリの線を保っていた。 柔らかな髪がそれまでは柵によって遮られていた風に揺れ、頬をくすぐった。 頬にかかる髪を払いのけ、今にも届きそうな空へと、その手を伸ばす。 空を飛んでいるときとは違う感覚。 不安も高揚もすべて遠い。 あまりにも、その心は空虚で。 何もかもが曖昧で、実感もなく、空を切るばかりで何も掴めず。 一番空に近いはずの身体は何故か、今は酷く遠くに感じた。 その刹那、だった。 「――――フェイト、ちゃん?」 予想だにしなかった声が、突如として意識に割り込んだ。 反射的に振り向こうとしたところで、ぐらりと柵が軋んだ。 ギリギリの拮抗を保っていたバランスは、それだけのことであっさりと崩れ落ちた。 見開かれる空色の大きな瞳が、やたらとはっきりと脳裏に焼き付いて。 届かぬ空に手を伸ばそうと足掻いた。 「――――ッ!!」 身体を襲う衝撃に息が詰まる。 だが、それだけだった。 気付けば空は思ったよりも、近くて。 柔らかで暖かな感触に包まれていた。 「……よかった」 震えながらもどこか甘い声が、耳をくすぐった。 立て続けに襲う驚きに、思考が回るはずもなく。 「な、んで?」 それだけが唇から零れ落ちた。 「……それは私の台詞なんだけどな」 苦笑混じりの声が、優しい響きを持っていて。 それだけのことなのに何故か、泣きたくなった。 ふわりと浮かぶ身体はすぐさま砂まみれの屋上へとおろされたけれど、その包み込む両手は力を強めど、身体を離す気配もなく。 「あと少しで、落ちちゃうとこだったんだよ?」 肉付きの薄い肩へと、額が押しつけられた。 熱い吐息も、震える身体も無性に愛おしくて。 「………ごめん」 「うん」 「ごめんね、なのは」 躊躇いながらもその身体に腕を回し、抱きしめた。 「どうしてこんなこと、したの?」 わからない、と云ってしまえばそれまでなのかもしれない。 それでも何かを云わなくてはと、ぽつりぽつりと浮かぶそれらを口にした。 「時々考えるんだ。アリシアのこと。……母さんのこと」 「うん」 「君が傍にいるのはわかるんだ。なのに、実感として、わからない。掴めないんだ。本当の私はここにはいないんじゃないかって。母さん達と一緒にあの中へと墜ちていってしまったんじゃないかって、そんなことすら思うよ」 「……フェイトちゃんは、ここにいるよ」 そうしてぎゅっと身体を抱きしめてくれる身体は何故かやはり、酷く曖昧でしかなくて。 どうしてだろう。 どうして、そのぬくもりも感触も鼓動さえもわかるのに。 「そうなのかな」 「そうなんだよ?」 何度訴えかけられようと届きそうにない言葉。 「だから。君が大好きな空に手が届いたら、君を感じられるんじゃないかって、思ったんだ」 それはただの幻想でしかなくて。 今ここにあるものがすべてで、真実であるはずなのに。 「ばか」 「うん、ばかだね」 それでも。 「きみのそばにいたいんだ」 |
||
|
|



